◇ 第150回 自然言語処理研究会

◎ 日 時 平成14年7月15日(月) 10:00~17:40
16日(火)  9:20~17:00
(電子情報通信学会 言語理解とコミュニケーション研究会(NLC)と合同開催)

◎ 会 場: 東北大学 青葉山キャンパス 青葉記念会館 大研修室
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉

〔交通手段〕 JR仙台駅西口バスプール9番のりばより、 以下の各路線の市バスに乗車、「工学部前」で下車徒歩1分。 駅からの所用時間15~20分。
「青葉城址循環(工学部経由)(W7-1)」
「工学部経由宮教大行(W8-2)」
「工学部経由青葉台行(W8-3)」

〔連絡先〕 佐藤滋(東北大学大学院国際文化研究科)
Tel: +81-22-217-7827 Fax: +81-22-217-7834


【プログラム】(発表件数28件)

7月15日(月) ― 10:00 ~ 17:40 ―
 [10:00 ~ 11:40] ● 文書処理・情報抽出・要約   〔4件〕
 [12:50 ~ 14:05] ● 情報検索           〔3件〕
 [14:25 ~ 15:40] ● 対話・機械翻訳        〔3件〕
 [16:00 ~ 17:40] ● 言語分析・基礎        〔4件〕
7月16日(火) ―  9:20 ~ 17:00 ―
 [ 9:20 ~ 10:35] ● 文書分類           〔3件〕
 [10:55 ~ 12:10] ● 語彙             〔3件〕
 [13:20 ~ 15:00] ● 解析・文法          〔4件〕
 [15:20 ~ 17:00] ● 言語知識獲得         〔4件〕


7月15日(月) ― 10:00 ~ 17:40 ―

[10:00 ~ 11:40] ● 文書処理・情報抽出・要約    〔4件〕

1. 帰納的学習による入力文予測を用いた中国語ピンイン入力手法
  ○烏日那, 荒木健治(北海道大学), 栃内香次(北海学園大学)

  本手法は,帰納的学習を用いて,既に入力された文の字面情報から語
  を獲得し,辞書を生成する.さらに,学習により生成された辞書を用
  いて入力文の予測を行う.また,予測を精度よく行うため,隣接文字
  列情報を利用している.

2. TransAid –英文書作成支援システム–
  ○高倉佐和, 古郡廷治(電気通信大学)

  インターネットコーパス上の例文を利用した文書作成支援システム
  について述べる。

3. 免疫学文献からのたんぱく質相互作用情報抽出に向けて
  ○保坂順子, 梅津亮(理化学研究所)

  動詞の”activate”をキーワードにして、構文解析結果から、動作主、
  被動作主を抽出した。この結果を分析し、免疫学文献の特徴を調べ
  る。

4. 新聞記事要約のための文間参照関係の認定と文抽出アルゴリズム
  ○石井弘志, 古郡廷治(電気通信大学)

  新聞記事中の指示表現や接続表現について、どのように文間の参照
  関係を認めるかについて述べる。また、参照関係を保つ要約を作成
  する文抽出アルゴリズムを示す。

[12:50 ~ 14:05] ● 情報検索            〔3件〕

5. 1次元自己組織化マップを用いた高次元データの高速近傍検索
  ○北研二, 獅々堀正幹(徳島大学)

  大量の高次元のベクトルデータに対する近傍検索(k-nearest
  neighbor search) を高速に行なうための手法として、1次元自己
  組織化マップを用いた 多次元インデキシング法を提案する。

6. 多言語論文データベースを用いたサーベイ論文検出
  - サーベイ論文自動作成の実現に向けて –
  ○難波英嗣, 奥村学(東京工業大学)

  Web文書を対象にした検索アルゴリズムHITSを改良し,多言語論文
  データベー スからサーベイ論文を検出する方法を提案する.

7. トピック差分因子分析法による文書間の相違性の評価
  ○川谷隆彦(日本ヒューレット・パッカード)

  2つの文書を付き合わせた時の一方の文書の各文、各語の特有性を
  トピック差分因子分析法を用いて評価する

[14:25 ~ 15:40] ● 対話・機械翻訳         〔3件〕

8. 質問応答のための自然言語インタフェース-根拠の提示-
  ○関洋平(青山学院大学)

  質問応答システムにおいて,根拠を自然言語で提示するための手法
  について報告する.

9. PDAで動作する旅行会話向け日英双方向音声翻訳システム
  ○山端潔, 磯谷亮輔, 安藤真一, 花沢健, 石川晋也, 磯健一,
  奥村明俊, 渡辺隆夫(NEC)

  Pocket PC搭載PDAで動作する音声翻訳システムを開発したので報告
  する。システムは、数万語規模の辞書を有し、旅行会話に関して自
  由な発話を日英双方向に音声翻訳可能である。

10. SMT指標を用いた複数翻訳エンジンからの最適訳選択
  ○秋葉泰弘, 渡辺太郎, 隅田英一郎(ATR)

  複数翻訳エンジンの訳出から最適な訳を選択する際に,SMT の
  言語モデルと翻訳モデルを用いて選択する方法を提案する.

[16:00 ~ 17:40] ● 言語分析・基礎         〔4件〕

11. 型付き動的論理による日本語の量化・照応の分析
  ○戸次大介(東京大学/PRESTO(JST))

  Bekki(2000)で提案されたTDLは、Dynamic Predicate LogicとPlural
  Logicの両方の利点を備えた論理言語である。本発表では、TDLを日本語の
  形式意味論に応用し、量化子の分散/累積読み、照応詞の変更束縛/Eタ
  イプ読みなどの分析における、他の意味論への優位性を示す。

12. 譲渡不可能な所有対象の表現について
  ○桃内佳雄(北海学園大学)

  譲渡不可能な所有対象の表現について日本語とアイヌ語の比較検討
  を中心に従来研究を参照しながら考察を進める.

13. 方言から共通語への翻訳システムに関する基礎的研究
  ○佐藤守, 横山晶一, 西原典孝(山形大学)

  村山方言を形態素解析し、共通語へ翻訳する際に得られた指針を報
  告する。

14. 言語処理とその脳の活動領域の考察
  ○佐々祐子, 杉浦元亮, 渡辺丈夫, 秋月祐子, 佐藤滋, 川島隆太(東北大学)

  fMRIを用いて、聴覚言語理解時における脳の機能局在を探ることを
  目的とし、統語処理と意味処理に関わる脳内のネットワークを考察
  した。

7月16日(火) ―  9:20 ~ 17:00 ―

[ 9:20 ~ 10:35] ● 文書分類            〔3件〕

15. 極大類比による文書群の組織化
  ○原口誠, 中野卯虎, 吉岡真治 (北海道大学)

  相互に類似する文書群からそれらの構造汎化、すなわち、文章の
  物語性まで考慮した文書間の構造的類似性をボトムアップに発見
  する手法を定式化し、文書群の多様な観点からの自動組織化の
  可能性について論じる。あわせて、非類似文書との高速なネガティブ
  マッチングにより、構造汎化を抑制する手法も導入する。

16. コメントを用いた映画の分類
  ○阿部倫子, 田中久美子, 中川裕志(東京大学)

  映画情報サイトに集められたユーザからのコメントを用いて、ナイ
  ーブ・ベイズ法により、個々の映画を分類し、既存のジャンル分け
  と比較評価した。

17. テキスト文書のマイクロクラスタリングに関する検討
  ○相澤彰子(国立情報学研究所)

  与えられたテキスト文書から粒度が小さなクラスタを自動生成する
  手法を 提案し、コーパスへの適用例と考察を示す。

[10:55 ~ 12:10] ● 語彙              〔3件〕

18. 単語親密度に基づく基本的語彙の選定
  ○金杉 友子(NTTアドバンステクノロジ(株)),
  笠原 要,稲子 希望,天野 成昭(日本電信電話(株))

  基本的な単語に関する概念体系DB構築の第一歩として、
  国語辞典より2万5千の基本語彙の選定を行った.選定は、
  心理実験により評定した単語のなじみ深さを表す単語属性
  (単語親密度)を基とした。選定方法の詳細および心理的
  尺度としての単語親密度の有効性について報告する.

19. 生成語彙論の枠組みに基づいた動的語彙モデルの構築
  ○高橋幸, 李相穆, 茂木和洋, 小林昌博, 佐藤滋(東北大学)

  生成語彙論の表示に基づいたGUIの辞書構築プログラムを開発し,
  項構造と意味構造が自動的に対応するよう設計した.この辞書を利
  用し複雑な語構造を生成するシステムを提案する.

20. 語彙概念構造を利用した助詞「に」に関する複合名詞の分析
  ○竹内孔一, 影浦峡, 小山照夫(国立情報学研究所)

  「会社依存(会社に依存)」のような助詞「に」の関係になる複合語
  に対して概念構造を利用した分析を行う

[13:20 ~ 15:00] ● 解析・文法           〔4件〕

21. 日本語LFGパーザによる助詞・助動詞の無形表示の統語意味解析
  ○大熊智子, 増市博(富士ゼロックス)

  大規模日本語LFGパーザにおいて、形容詞連用形による格表示など
  の省略が含まれる構文を解析するための文法を実装する。

22. 大規模日本語文法の開発 — 事例研究
  ○野呂智哉(東京工業大学), 白井清昭(北陸先端大), 徳永健伸,
  田中穂積(東京工業大学)

  構文木付きコーパスから自然言語処理用の大規模文法を抽出する際
  の問題点と解決法を考察する。

23. 中国語形態素解析に対するSVMとコスト最小法の比較実験
  ○吉田辰巳(豊橋技科大), 大竹清敬, 山本和英(ATR)

  公開言語資源の組合せによって,中国語の形態素解析を行い,性能
  の比較評価を行った.

24. テキストの構文的類似度の評価方法について
  ○高橋哲朗, 乾健太郎, 松本裕治(奈良先端大)

  テキストを依存構造木で表したときの構造的類似度を効率的に評価
  するアルゴリズムを提案する.

[15:20 ~ 17:00] ● 言語知識獲得          〔4件〕

25. 接続助詞「ため」を含む複文から因果関係知識を獲得する
  ○乾孝司, 乾健太郎, 松本裕治(奈良先端大)

  大規模な因果関係知識をテキストから自動獲得したい. 「ため」
  複文の主節・従属節から命題表現を取り出し, 規則に基づいてそ
  れらの背後にある因果関係を特定す ることを試みた.

26. 省略可能な2重修飾表現の教師なし学習による自動獲得
  ○酒井浩之, 増山繁(豊橋技科大)

  文中に存在する2重修飾表現において、省略可能な表現を相互情報
  量を用いることにより、 教師なしで自動的に判別する手法を提案
  する。

27. 生物学文献からの専門用語抽出における機械学習モデルの検討
  ○竹内孔一, NigelCollier(国立情報学研究所)

  英文の生物学文献における専門用語抽出に対して HMMとSVMをベー
  スとした機械学習モデルの検討を行う.

28. 言語横断検索により自動収集された日英関連報道記事からの訳語対応の獲得
  ○堀内 貴司(豊橋技科大),千葉 靖伸(アライドテレシス株式会社),
  浜本 武, 宇津呂 武仁(豊橋技科大)

  WWW上の報道記事等,日本語および英語で書かれた関連報道記事を言語横
  断検索により自動収集し,収集された記事対を疑似的対訳コーパスとみな
  して,多種多様な分野について,分野固有の人名・地名・組織名などの
  固有名詞(固有表現)や事象・言い回しなどの訳語対応の半自動獲得を行う.

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照会先:白井 清昭 (北陸先端大)
作成日:平成14年6月6日


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